2022年9月15日木曜日

ヤン富田:スペースウォー!とミサイル司令官/SPACEWAR! & MISSILE COMMANDER

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YANN TOMITA LIVE AT BLUE NOTE TOKYO, 6.18.22より『スペースウォー!とミサイル司令官』

カリフォルニア州ラホーヤにあったサイエンス・アプリケーション社による核兵器関連の雑誌広告 (1973年)

現 SAIC ( ttps://www.saic.com ) 


これは2022年6月18日(土)に開催された「ヤン富田 AT ブルーノート東京」に於ける記録動画です。また以下の音源、書籍、他は、さまざまな異なる観点から、このリポートにかかわっている。

This is a Video Work of YANN TOMITA  AT BLUE NOTE TOKYO on Saturday, June 18, 2022. In addition, the following books, sound sources and others relate to this report from various different perspectives. 


尚、YANN TOMITA AT BLUE NOTE TOKYO, 6.18.2022 のSET LIST はこちらです。

http://asl-report.blogspot.com/2022/07/set-list-yann-tomita-live-at-blue-note.html

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SPACEWAR! & MISSILE COMMANDER - スペース・ウォー!とミサイル司令官

M.C. BOO - Missile Commander / エムシー・ブー - ミサイル司令官

CHIKA OGAWA - Drum Fighter / 小川千果 - ドラム戦闘員

HARUO "PARUO" SUZUKI - Detective Force / 鈴木 "パルオ" 春雄 - 偵察員

SHUJI KANAO  - Head of Satellite Center / 金尾修治 - 衛星センター所長

YANN TOMITA - Researcher / ヤン富田 - 研究員 


「ミサイル・コマンド」は、米ソ冷戦下の1980年にアタリ社が発売したアーケード・ゲームです。翌年ホームシステムに組み込まれ250万部以上を売り上げました。ミサイル・コマンドは史上最高のビデオゲームの一つです。ゲームが終わるとゲームオーバーではなくエンドと表示されます。それはもはや伝説といえるもので、勝者は無くすべてが失われるという意味です。これは「ミサイル・コマンド」が他のゲームとは一線を画す哲学的なものであることを強烈に感じさせます。当初はプレーヤーがハイスコアリストを作成しプレーヤのイニシャルを入力しようとするとスキップされました。


アレックス・ルーベンス (著)「8ビット・アポカリプス アタリ社のミサイル・コマンドの知られざる物語」 2019  US


概要より:「Call of Duty」よりも「World of Warcraft」よりも、「スーパーマリオブラザーズ」よりも、1970年代後半、ゲームセンターの出現によってゲーム産業は爆発的に成長しました。その牽引役となったのが、代表的なゲーム「ミサイル・コマンド」を開発したアタリ社です。このゲームでは、プレイヤーはボタンに指を置き、25セント硬貨を払うだけで、勝ち目のないシナリオの中で文明の命運を握ることができました。このゲームは現代文化の驚異であり、テレビゲームの時代とテレビゲームというライフスタイルの到来を告げました。その画期的な意味合いは、今日まで続く熱狂的な文化を刺激しました。ミサイル・コマンドに対する文化的な反応と同じくらい魅力的だったのは、その背後にいるプログラマーたちです。大規模な開発チームとスティーブ・ジョブズのような人物の崇拝の時代以前に、アタリは個人のデザイナーによってデザインされ、書かれ、コーディングされたアーケードマシンを製造していました。ゲームの収益が数百万ドルに達し、天才的なクリエイターとしてもてはやされ、オタクやマニアと呼ばれていた彼らが、大手出版社のインタビューを受け、ウォール街のトレーダーのようにパーティに参加するようになったのです。しかし、プログラマーたちの犠牲は大きく、開発者たちは週120時間労働で、締め切りに追われる中、何日もオフィスにいることもしばしばでした。特に、「ミサイル・コマンド」の開発者であるデーブ・テューラー氏は、仕事に没頭するあまり、体調を崩し、家族との関係も悪くなり、核兵器の悪夢にうなされることもあったといいます。この物語を内側から語るために、技術関係者で作家のアレックス・ルーベンスは、この時代の主要人物に数多くインタビューしています。アタリ社の創業者ノーラン・ブッシュネル、ミサイル・コマンドの開発者デーブ・テューラー、そしてNBCのシリーズ番組「チャック」の脚本家フィル・クレマーは、ミサイル・コマンドとその伝説の「キルスクリーン」(*)についてのエピソード全体を書き上げました。「8ビット・アポカリプス アタリ社のミサイル・コマンドの知られざる物語」は、ファンが多くのノスタルジアを抱くこの時代の、初の詳細な個人史を提供しています。



(*) キルスクリーンとは、プログラミングのバグにより、ゲームの進行が非常に困難または不可能になるレベルのこと。2、3時間に一度、最初のレベルに戻ってしまいます。『Missile Command』では、キルスクリーンでゲームがやり直しになります。


トニー・テンプル (著)『ミサイル・コマンダー:アーケードの名作の頂点を極める旅』


2020年に「ミサイル・コマンド」発売40周年を記念して刊行されました。

プレイヤーは1人、ファイアボタン3つ、1つのトラックボール。『Missile Commander』は、アタリの伝説的なアーケードタイトル「Missile Command」と40年にわたるプレイヤーの旅を描いた回想録です。彼は10代の頃に古びたカフェで核のハルマゲドンの恐怖に苛まれ、ついにはギネスワールドレコードから世界一のプレイヤーに選ばれました。その過程で、彼はゲームを変えるバグ、偏執的なライバル、私立探偵、終わりのない論争に遭遇し、最後にはこのゲームを作った人物と出会うことになります。この象徴的なゲームがどのように開発されたか、最初のコンセプトから80年代初頭のアーケードの支配に至るまで、それを実現したアタリ社のチームの目を通して読み解きます。

「ミサイル・コマンド」制作者デーブ・テューラー(Dave Theurer /1980年頃)

Atari Missile Command   Kid Stuff KSS 5031  LP  1982  US

アタリのアーケード・ゲーム、「ミサイル・コマンド」、「アステロイド」他、沢山のタイトルがホームユースのゲーム機に移植され大ヒットしました。その中のいくつかは、レコード化(スポークンワード)されました。


ATARI GAME OVER - DOCUMENTARY OF ATARI VIDEO GAME BURIAL 

『アタリ ゲームオーバー』DVD 日活 2015


アメリカのベンチャー企業として史上最速のスピードで成長し崩壊したATARIとはなんだったのか?

そして伝説のゲームは発掘されるのか?

1984年、アタリ社を倒産に追い込んだとされる「E.T. - ビデオゲーム」350万本の行方の物語。


『アタリ ゲームオーバー』は、「1983年のビデオゲーム大埋葬」と呼ばれる都市伝説を探求しています。1982年のクリスマスシーズンの最重要ソフトとして開発されたゲーム『E.T.』。大ヒットしたスティーヴン・スピルバーグの映画とタイアップし、ゲームの歴史を変える作品となるはずでした。しかし「E.T.」への圧倒的な拒絶反応に直面したアタリ社が、売れ残った何百万ものゲームカートリッジをニューメキシコ州アラモゴードという小さな町に埋めて処分したというのです。何十年もの間、アタリとこの「E.T.」カートリッジの神話は、世界中のゲームファンの間でささやかれていました。


映画『X-MEN2』『アベンジャーズ』のザック・ペン監督とそのチームは、この話が本当なのかどうかを確かめるため、ビデオゲームが埋まっているとされる埋立地に向かいます。また、さまざまなインタビューを行い、伝説の真相を明らかにします。


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A.S.L謹製アーケード仕様の筐体、DIY です。

オリジナルに近い仕様のコントローラーでゲームすることが出来ます。ATARI アーケードゲームのベストなゲームが入ってます。Asteroids, Asteroids Deluxe, Gravitar, Liberator, Luna Lander, Major Havoc, Millipede, Missile Command, Quantum, Tempest 他

こちらは、アタッシュケース・スタイルの筐体でアーケード・スタイルのボタンでゲームができます。USB でコントローラー (画像右端) をつなげることもでき、HDMI IN/OUT 端子付きで画像とサウンドが分離/分散できます。4299種のゲームが入っており、その中には米国で1992年に発売されたアーケード・ゲーム "B RAP BOYS" があります。ゲーム自体はシンプルな格闘ゲームですが、プレイ中ブルーボタンを押すとサンプル音源が鳴るスクラッチ機能となります。この発見からボタンを押すタイミングでゲームはブレーク・パートにもなり、B-BOYのダンスとスクラッチとでインタープレイができます。更にそこにラップを入れ、グリーンバック無しで背景透過できるソフトを用いて、ゲームに演者の画像を写し込んで作品化したパフォーマンスが、「B RAP BOYS & RAINBOW CREW / ビーラップボーイズと虹のクルー」です。


B. Rap Boys & Rainbow Crew / ビーラップボーイズと虹のクルー

DR. YANN - Play Games & M.C.

RAINBOW THREE  MCS ; M.C. BOO, TAKASHI CHIBA & ROBOCHU

/ エムシー・ブー、ヒップホップ最高会議ー千葉隆史、ロボ宙

Paruo - Live Camera / 鈴木 "パルオ" 晴雄 - ライブカメラ

Shuji Kanao - Live Camera System  / 金尾修治 - ライブカメラ・システム


ブレークパートとダンスとスクラッチプレイの動画


“ビーラップボーイズと虹のクルー / B. RAP BOYS & RAINBOW CREW” に関するリポートはこちらです→ http://asl-report.blogspot.com/2022/01/brap-boys-rainbow-crew.html

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すがやみつる(著) 『ゲームセンターあらし』


1979年から83年まで『コロコロコミック』(小学館) に掲載された、すがやみつるによる漫画作品。 1982年には日本TVでアニメ化もされた。単行本は全17巻。第4巻に「ミサイル・コマンド」を題材とした『地球を救え』(5~55頁) 所収。



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『ランド 世界を支配した研究所』アレックス・アベラ (著) 牧野 洋 (訳) 文藝春秋 2008


ノーベル賞を受賞した研究者29人を輩出したランド。そのほとんどが、物理学、化学、経済学からの受賞だった。ランドは戦争を科学化、概念を全て数値化 (デジタル化の様相) した。この本は戦略研究所ランドの通史。1946年米空軍のシンクタンクとして長距離ミサイル開発のプロジェクトからランド計画が創設され、48年にはRAND Corporation となり世界のシンクタンクの原形となった。RAND の名称は、Research ANd Development (研究・開発) からのアナグラム。米国の核開発、宇宙開発、情報処理、人工知能、インターネットの構築、1950年代にソ連研究から発達したゲーム理論、システム分析などを発明し現代史に大きな影響を及ぼしている。別の見方、言い方をするならば、ランドは軍産複合体の中心であり、エスタブリッシュメント(支配階級) が永遠に支配者でいられるような研究をしている所とも言える。


(ゲーム理論とは、ポーカーをはじめとした室内ゲームの数学的構造を解明し、それを経済学や政治学、外交政策などへ適用する学問分野である。/本書より)


2022年7月現在、3年前 (2019) に出されたリポート「ロシア拡張~有利な条件での競争」(米軍のウクライナへの効果的支援が主なテーマ) が、現状の対ロ・ウクライナ戦略を予言したものとして注目を集めている。また米国バイデン政権による中国を挑発する「台湾有事」の軍事的対応などランドのリポートが話題を呼んでいる。(https://www.businessinsider.jp/post-256170 )


以下は、ランドの人脈から:


ジョン・フォン・ノイマン (1903-1957):数学者、20世紀科学史における最重要人物の一人。原子爆弾やコンピュータ開発、戦争一般理論から*ゲーム理論の生みの親。


ジョン・ナッシュ (1928-):数学者、ノーべル経済学賞受賞。フォン・ノイマンとゲーム理論を研究。映画「ビューティフル・マインド」のモデル。


アルバート・ウォルステッター (1913-1997):核戦略家、フェイル・セイフ (多重安全装置) の考案者。ネオコン (新保守主義) の始祖といわれる。


バーナード・ブロディ (1910-1978):軍事戦略家、「核抑止」概念の提唱者。アルバート・ウォルステッターとランド内で対立。


ハーマン・カーン (1922-1983):軍事理論家。ランドでの研究成果として1960年「熱核戦争論」を上梓。キューブリック監督作品「博士の異常な愛情」のドクター・ストレンジラブのモデルのひとり。キューブリックのインタビューに応えた言説の多くを映画で使用され、公開後キューブリックに使用料を請求した。


サミュエル・コーエン (1921-):中性子爆弾の発明者


ポール・バラン (1926-) :1959年、ソ連の先制核攻撃に対する通信システムの開発から、現在のインターネットの基盤となる技術の考案者。ICBM(大陸間弾道ミサイル) の設計エンジニアだった。


カーティス・ルメイ (1906-1990):空軍将軍。第2次大戦中の東京大空襲を指揮した。徹底的な核攻撃の提唱者。キューバ危機の際、核戦争も覚悟してキューバ爆撃を主張した。キューブリック監督作品「博士の異常な愛情」に登場するリッパー准将のモデルとされる。


ブルーノ・オーゲンスタイン (1923-2005):水爆をミサイルの弾頭に取り付けたICBM (大陸間弾道ミサイル)の開発者。


ケネス・アロー (1921-):経済学者、ノーベル賞受賞者。50年よりソ連の行動を予測する研究から、「社会的選択と個人的評価」(1951)を上梓。合理的選択理論の基盤を築いた。ランドの経済学は「合理的選択理論」を発展させ、1970年代の「新自由主義」の道を開拓した。


アンドリュー・マーシャル (1921-):20年以上のランド在籍後、73年に創設された国防総省で、局長を歴代の大統領に再任され続け大きな影響力を持った。軍事革命理論を体系化した。


トーマス・シュリング (1921-):経済学者。ゲーム理論を現実世界に応用できるようにした。ベトナム戦争時、ジョンソン大統領に北爆を提言した。2005年にノーベル賞を受賞した。


ロバート・マクナマラ (1916-):ケネディ政権下での国防長官。ランド出身者を大量に登用し、ランドのシステム分析を国の政策決定に導入した。フォード自動車元社長。


ドナルド・ラムズフェルト (1932-):ブッシュ (子) の国防長官。アルバート・ウォルステッターの門弟。


ポール・ウォルフォウイック (1943-):ブッシュ (子) 政権の国防副長官。イラク戦争の推進者。アルバート・ウォルステッターの門弟。


ザルメイ・ハリルザド (1951-):元アメリカ国連大使。アフガニスタン出身、急進的イスラム主義者だったが、アルバート・ウォルステッターとの出合い後、転向、門弟となった。


ゴンドリーザ・ライス (1954-):元アメリカ国務長官。ロシア通として知られた。


『考えられないことを考える』ハーマン・カーン (著) 桃井真、松本要 (訳)  ペりかん社   1968 刊 

  “Thinking about the Unthinkable.” Herman Kahn  New York Horizon Press  1962  US


ハーマン・カーン (Herman Kahn 1922-1983) は軍事理論家、システム理論家、後に未来学者となる。ランド在籍中の1960年に核戦争における戦略、分析、メガデスやドゥームズデイ・デバイスの概念等を論じた『熱核戦争論』を上梓。1961年にランドより独立してハドソン研究所を創設し所長となった。


現在ハドソン研究所では、創設者故ハーマン・カーンにちなんで、毎年保守的な立場から米国の国家安全保障に貢献した人物にハーマン・カーン賞が贈られている。これまでに、レーガン元大統領、キッシンジャー元国務長官、ディック・チェイニー元副大統領、他が受賞している。2013年には安倍晋三元首相が外国人では初めて受賞した。


メガデス:100万の死を意味する軍事学用語。ハーマン・カーンが1953年に使用したのが最初。

ドゥームズデイ・デバイス:終末兵器。終末兵器の装置で敵からの核攻撃を抑止するという理論。コンピュータで管理し核攻撃にあった場合全ての核ミサイルが自動的に発射されるというシステム。


ちなみに機動戦士ガンダムシリーズに登場するハマーン・カーンは、ハーマン・カーンのアナグラム。また月面都市フォン・ブラウン市は、アポロ計画の中心人物でロケット技術の開発者ヴェルナー・フォン・ブラウンにちなむ。


ドクター・ストレンジラブのモデルの一人。ドゥームズデイ・デバイスの概念など、キューブリック監督はカーンから多くの言説を引用した。

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『博士の異常な愛情 または私はいかにして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』 DVD


スタンリー・キューブリック監督作品 (1964)


プロット:時は冷戦真っ只中。アメリカの戦略空軍基地司令官リッパー将軍が突然、ソ連への水爆攻撃を命令する。ところがソ連が保有している核の自爆装置 (ドゥームズデイ・デバイス) は水爆攻撃を受けると10ヶ月以内に全世界を壊滅させてしまうと判明。両国首脳陣は最悪の事態を回避すべく必死の努力を続けるが、水爆はついに投下されてしまう…。


劇中ストレンジラブ博士のモデルには、ナチスドイツでV2ロケットを開発し、第2次大戦終戦後の「ペーパークリップ作戦」によってアメリカ政府の元でロケット開発を続けたフォン・ブラウン博士。軍事理論家でドゥームズデイ・デバイスの概念を論じたハーマン・カーン。原爆製造のマンハッタン計画参加者ジョン・フォン・ノイマン。水素爆弾の開発者エドワード・テラーとされています。キューブリック監督は公開後ハーマン・カーン氏から著作権の請求を受ける事態となりました。劇中リッパー准将のモデルは、1962年10月に起きたキューバ危機の際、核戦争も覚悟してキューバ爆撃を主張したカーティス・ルメイ空軍参謀総長とされています。


ペーパークリップ作戦とは、第二次世界大戦末から終戦直後にかけて、アメリカ軍がドイツ人の優秀な科学者をドイツからアメリカに連行した、一連の作戦コード名。


『未知への飛行ーフェイル・セイフ』  ソニー・ピクチャーズエンタテインメント DVD


シドニー・ルメット監督作品 (1964)


プロット:水爆を搭載したアメリカの爆撃機が、司令部から暗号を受信。何と、それは”モスクワ爆撃命令”、しかし、それは機械の故障による間違った指令だった。気づいた時には、すでに遅く爆撃機編隊を呼び戻す術は、失われ。合衆国大統領は、核戦争回避のために、恐ろしい提案をする…。

 


フェイル・セイフ (多重安全装置)とは、なんらかの装置、機械システムが誤動作、誤作動によって障害が発生した場合、常に安全に制御することをいう。核戦略研究家でネオコン (新保守主義) の始祖といわれるアルバート・ウォルステッターがランド研究所在籍時(1946~1963) に概念を提唱した。

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DEC の創業とスペースウォー!

( http://asl-report.blogspot.com/2021/09/spacewar.html より再掲

DEC PDP-1 (デジタル・イクイップメント・コーポレーション社プログラム・データ・プロセッサー1番)

は、1959年11月に発表された世界初のミニ・コンピュータです。ハッカー文化の起源となった重要なコンピュータで、導入されたMIT(マサチューセッツ工科大学) では歴史上最初のデジタル・コンピュータ・ゲーム「スペースウォー!」をプレイするためのオリジナル・ハードウェアとなりました。


1961年に「スペースウォー!」は、MITの学生 スティーブ・ラッセル (Steve Russell/1937-) とマーティン・グレイツ、ウエイン・ウイッタネンによって考案されました。これは、1962年にスティーブ・ラッセル、ピーター・サムソン、ダン・エドワーズ、マーティン・グレイツ、アラン・コトック、スティーブ・パイナー、ロバートA.サンダースによってPDP-1で最初に実現され、この集団がハッカー文化の起源となりました。


PDP-1は、世界初の商用インタラクティブ・コンピュータであり、企業や研究機関がこれまで以上に多くのコンピューティング・パワーにアクセスできるようになりました。


1957年にDEC を創業した、ケネス・オルセン(Kenneth Olsen/1926-2011) とハーラン・アンダーセン(Harlan Anderson/1929-2019) は、それ以前にはリンカーン研究所でAN/FSQ-7 コンピュータの開発に参加していました。


AN/FSQ-7 コンピュータ   モニター部分は制御端末。

AN/FSQ-7 コンピュータとSAGE (Semi-Automatic Ground Environment):半自動防空管制システム


AN/FSQ-7 は、55000本の真空管を使用し床面積2000平方メートル、重量は275トンと史上最大のコンピュータで、50年代終盤からソ連軍原爆搭載爆撃機を発見し要撃するための自動化されたコンピュータシステム (SAGE)でした。ところが60年代になるとソ連がICBM (大陸間弾道ミサイル) の開発に成功したため、SAGEシステムでは対応できなくなります。しかしSAGEはあらゆる点で航空交通管制システムそのものであったため、このシステムからは航空会社の座席予約システムも生まれました。



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(画像左) Text-Sound Compositions 1: A Stockholm Festival 1968   Sveriges Radio (Swedish Radio) – RELP 1049  LP  1968  Sweden


Åke Hodell : U.S.S. Pacific Ocean - A Story About The World Police/「USS パシフィックオーシャン、世界警察についての物語」所収。

アメリカの原子力潜水艦が中国にミサイルを発射することで世界危機を引き起こそうとしているという内容の音声詩。この作品は1968年にストックホルムで開催されたテキストサウンド・フェスティバルの冒頭を飾りました。


(画像右) Stokeley Carmichael, Åke Hodell - "Black Power" / "U.S.S. Pacific Ocean - A Story About The World Police"    Rabén & Sjögren – RM 5223, Rabén & Sjögren – RM 5224  56 Page Book + 7inch Record  1968   Sweden

「USS パシフィックオーシャン、世界警察についての物語」(原作)

書籍 (56頁) にはストークリー・カーマイケルのスピーチ「ブラック・パワー」収録の7inch レコードが含まれます。


ストークリー・カーマイケル (Stokeley Carmichael /1941-1998) は、ニューヨーク市ブロンクス高校に通いながら活動家になったブラックパワー運動の重要なリーダーであり、学生非暴力調整委員会(SNCC)、その後ブラックパンサー党(BPP) の「名誉首相」として、最後には全アフリカ人民革命党(A-APRP) のリーダとして活動しました。彼はマルコムXを引き継ぐ可能性が最も高い人物としてFBIに特定されていました。(ウィキペディア)



オーケ・ホデル (Åke Hodell /1919-2000)は、スウェーデンの戦闘機の元パイロット、詩人、作家、テキストサウンドの作曲家、芸術家でした。ホデルは戦闘機のパイロットとして訓練を受けましたが、1941年7月17日、練習中の墜落事故により、次の数年間を病院で過ごすことになります。これが転機となり、彼は熱心な反戦主義者/反軍国主義者になりました。病院に横たわって、彼は作家のグンナー・エケロフ(Gunnar Ekelöf 1907-1968)と知り合いになり、1953年に著作「フライエンデ・パイロット」でデビューします。同じ春、ホデルとエケロフはローマに旅行し、ホデルがエレクトロニズムと呼んでいるものを実験し、60年代初頭のステージとラジオで、テキストと音の構成を実践しました。ホデルの作品には航空用語が現代詩の中で使用されています。


以下、ホデルによるアートワーク、現代詩、テキストから構成された書籍から。


Åke Hodell - Verbal Brainwash And Other Works    Fylkingen Records FYCD 1018-1-2-3   2000 Sweden


1963年から1977年にかけて制作された作品によるホデル集成。3枚組CDコレクションには初出となる作品多数鉄砲の打ち合いから徐々に武器がエスカレートし、最後は核爆弾が破裂し無音となるまでの音声詩 "Structures III Part 1~6/構造3 パート1~6” (1967) がある。オリジナルは4チャンネル・テープで4方にスピーカーを配置する立体音響。これはDVD化してサラウンドで聴いてみたくなる。収録した武器の音は全て実際の兵器からとされる。初演は1967年4月26日ストックホルム近代美術館に於いて同時に生放送もされた。25分近く銃撃や爆撃音だけが鳴り響く放送、これは音による詩、音声詩の所以たる作品であると思います。

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『渚にて』   DVD   20TH FOX HOME ENTARTAINMENT JAPAN

スタンリー・クレイマー監督作品 (1959) 


プロット:1964年、第3次世界大戦ー核戦争ーが勃発。世界全土に放射能汚染が広がり南半球のオーストラリア周辺の一部を除いて、人類は全滅してしまった。本国に帰港できなくなったアメリカ原子力潜水艦はメルボルンに入港するがその地にも死の灰は迫っていた。そんな時に、潜水艦の艦長タワーズは解読不能の無電を傍受した。発信地は死滅したはずのアメリカ。はたして生存者はいるのか? 



「渚にて」は、イギリスの作家ネヴィル・シュートがオーストラリアに移住した後、1957年に発表した黙示録的小説です。核戦争の後、北半球から拡散してくる致命的な放射能の到来を待つメルボルンの人々の体験を描いています。原作では、アルバニアによるイタリアへの核攻撃で始まった戦争は、エジプトによるアメリカとイギリスへの空爆でエスカレートしていきます。これらの攻撃に使われた航空機はソ連から入手したものであったため、誤ってソ連の責任とされ、NATOによるソ連への報復攻撃の引き金となりました。また、ソ連による中華人民共和国への攻撃もありました。これは中国国境付近のソ連の工業地帯を占拠しようとした中国の攻撃に対抗したものでした。


地球の気流は、熱帯収束帯を越えて、南半球に核の死の灰をゆっくりと運んでいる。オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、南米南部は、まだ居住可能な地域であるが、これらの地域も徐々に放射能に侵されている。メルボルンでの生活は、燃料がほとんどないため移動が困難であるが、それなりに普通に生活している...。

「渚にて」2000年制作リメイク作品  邦題『エンド・オブ・ザ・ワールド』 {完全版}  DVD  


1989年ソビエト連邦の崩壊によって米ソ冷戦は終結した。2000年制作のこのリメイクでは、台湾有事によって核戦争が起こる。中国が台湾を占領、それによって米中の全面的な核戦争が勃発する。北半球の人類は全滅し、南半球の人類も同じ運命をたどるまで数カ月に迫まっている。米原子力潜水艦チャールストンは、まだ放射能が到達していないオーストラリアのメルボルンに避難所を見つけ艦をオーストラリア海軍の指揮下に置く…。

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こちらの記事 (2022.7) は→ https://www.businessinsider.jp/post-256170 米国バイデン政権による中国を挑発する「台湾有事」の軍事的対応等に関するランド研究所のリポートです。米中の現在の状況は緊張緩和ではなく、激化をバイデン政権は望んでいるというものです。

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レイセオン社のミサイル誘導システムの広告 (1982年)アタリ社のゲームのようなレーダー画面

 (レイセオン社1982年の雑誌広告) スペース・インベーダー・ゲームをやっているような画像。
「複雑な兵器システムの問題に対するレイセオン社の解決策。明日も使えるか?モジュール設計により、ソフトウェア・ライブラリにプログラムを追加できるため、パトリオットは21世紀に入っても航空脅威に効果的に対応することができます。」(広告より)              


レイセオン社(現レイセオン・テクノロジーズ)は世界第1位のミサイルメーカーです。ミサイル防衛、情報、監視、偵察、精密攻撃、本土防衛関連の軍・政府系ミッションを手がけています。主力製品はミサイルの他にレーダー、様々な戦闘システム、電子戦、海上統合システム、総合空中システム、指揮統制システム、ネットセンサー、無人機、各種ソナー、指向性エネルギー兵器、他多数。顧客はロスアラモス研究所、陸軍研究所など、近年では軍向けのパワードスーツも開発している。


創業は1922年、第2次大戦中には英国のマグネトロン技術を元にしたマイクロ波レーダーを開発し連合軍の勝利に貢献した。1945年、マグネトロン技術は偶然の事故から調理に使用できることを発見し電子レンジ開発のきっかけとなった。1948年誘導ミサイルを開発する。91年の湾岸戦争ではパトリオットミサイルの映像がTVに流れ知名度が上がった。

1995~97年にテキサス・インストルメンツ社防衛部門、他、数社を買収する。


2020年4月ユナイテッド・テクノロジーズと合併レイセオン・テクノロジーズとなった。(ウィキぺディア)

音楽的側面として興味をひくのは、レイセオン社によるテキサス・インストルメンツ社防衛部門の買収がある。こじつけっぽいが、しかし兵器システムのいずれかにSN76489、他のチップが使われている可能性がある。

テキサス・インストルメンツ社が開発した半導体SN76489 は、デジタル・コンプレックス・サウンド・ジェネレーターで、主なアプリケーションは、アーケード・ゲーム、ゲームコンソール、ホームコンピュータなどでの音楽と効果音の生成にある。1980年に製造が開始され、矩形波音源を3基、ノイズジェネレータ (ホワイトノイズと周期性の2種類)を1基持つ。セガ、他のゲーム機の音源チップとして使用されてきた。

テキサス・インストルメンツ社の半導体SN76489は、8ビットで非常に個性的なサウンドを発音する。


テキサス・インストルメンタル社から発売されていた教育玩具「スピーク & スペル」にSN76489 チップが使われていた。これをCircuit Bending (配線をショートさせ新たな電子音を創る)のオリジネーター、Qubais Reed Ghazala が改造した楽器を用いた1995年の演奏。

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『ラスト・カウント・ダウン~大統領の選択/By Dawn’s Early Light』 VHS VIDEO


ジャック・ショルダー監督作品 (1990)


プロット:NATO加盟国のトルコからミサイルが発射されソ連のドネツクに被弾。ソ連首脳部はそれをアメリカからの攻撃と認定し、報復として潜水艦から核爆弾を発射した。米国は甘んじてダメージを受けたままか。しかし反撃は人類滅亡へとつながる。合衆国大統領の方針が定まらぬまま空軍基地に被弾する数分前に爆撃機は離陸した。 



核兵器には戦略核と戦術核の区別がある。米ソ間の核軍縮協定で射程距離500km以下のものを戦術核兵器であるとしている。戦術核は核兵器の近代化に即して開発された威力の限定的なもので、すでに1965年にはスーツケース・サイズで重さ68kgの超小型核兵器 (SADM) が配備されていた。これは米国海兵隊の特殊部隊向けの装備で兵士が背負って運ぶことができタイマーにより起爆する。

『十五時間の核戦争』ウィリアム・プロクノー(著) 安藤安彦(訳) 早川書房 1985

映画『ラスト・カウント・ダウン~大統領の選択/By Dawn’s Early Light』の原作。


『ザ・デイ・アフター』(アメリカTV映画)   DVD   日本ビクター JVBF 25120

ニコラス・メイヤー監督作品 (1983)


プロット:東西間の対立によって国際緊張は高まる一方であった。そして遂に、カンザスの平原からソビエトへ向けて核ミサイルが発射された。同時にソビエトから300発以上の核ミサイルが全米に降り注ぐ。


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Bruce Conner  “2000 BC  THE BRUCE CONNER STORY Part 2"

『紀元前2000年:ブルース・コナー・ストーリーパート 2』 

Bruce Conner, Kathy Hallbreich, Bruce Jenkins, Peter Boswell, Joan Rothfuss      

Walker Art Center  1999  US


ブルース・コナー(1933-2008)は、1950年代後半にカリフォルニアのアッサンブラージュ・アート(工業製品、日常品などの廃物を寄せ集めてつくった作品)のリーダーとして脚光を浴びるようになりました。またコナーは、サンフランシスコ・ルネッサンスの詩人たち(特にマイケル・マクルーア)や、ウォレス・バーマン、ジョージ・ハームズ、ジェイ・デフェオといったアーティストたちと深い関わりを持っていました。コナーはナイロンストッキングを使ったアッサンブラージュですぐに有名になり、ピーター・セルツが1961年にMoMAで開催した「Art of Assemblage」展に作品が出品されました。


1958年、コナーの最初の映画作品である “A MOVIE” は、B級映画、ニュースリール、ノベルティ短編、その他の既成の映像の断片をつなぎ合わせて作成されました。またポップミュージックの使用の先駆けとなる短編映画(ミュージックビデオのジャンルの先駆け、後年には、DEVO "Mongoloid" のMV等を制作) を次々と製作しました。

コナーの革新的な編集技術とアメリカ文化に対する明らかに暗いビジョンは、デニス・ホッパー(コナーの友人であり協力者、コナーの影響を頻繁に認めている)やデヴィッド・リンチといった後のハリウッド監督の礎を築きました。


本書は、20世紀アメリカの芸術と映画を理解するための重要な資料であり、1950年代から現在までのコナーの作品について、これまでで最も包括的な本です。著者は、コナーの映画、アッサンブラージュ、ドローイング、版画、コラージュ、フォトグラムなどの作品を紹介しています。


                                                                                (以上画像は“Bruce Conner: 2000 BC“より )


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Two Films By  Bruce Conner”  “Crossroads and “looking For Mushrooms”   

DVD   Distributed by The Michael Kohn Gallery   2003   US


コナーによる2作品を収録したDVD。 “Crossroads” は、1946年7月25日にビキニ環礁で行われた初の水爆実験の模様を、それ自体一つの劇場、彫刻として捉えた作品として提示しています。90隻の日米の軍艦を配置しその中央で爆発する映像は、500台以上のカメラによって撮影された記録映像からで、それらを使用して編集しています。音楽はパトリック・グリースンがシンセで音をつけています。

”Looking For Mushroom” は、題名のとおりキノコの幻覚作用をビジュアル化したような作品となっており、当初は3分の短編でジョン・レノンの音楽がついていましたが、ここではサイズを14分に延長しテリー・ライリーの楽曲 ”Poppy Nogood And The Phantom Band” になっています。


Terry Riley - You’re Nogood   Cortical Foundation Organ of Corti 5    2xCD    2000   US


Cortical Foundation レーベルの創設者、Gary Todd によるテリー・ライリー未発表発掘音源のCD化です。他にライリー「Music For The Gift」他、数作。また、Intersystems の "Free Psychedelic Poster Inside" のCD化 (1994) 等の功績があります。ライリー関連の音源の中では最も興味深い内容です。


「1967年11月、テリー・ライリーはフィラデルフィアでポピー・ノグッドという名でオールナイト・コンサートを行いました。ソプラノ・サックスとテープ・ディレイ・フィードバック・システム(別名「タイムラグ・アキュムレーター」)でテリーが即興演奏するハプニングの一形態です。フィラデルフィアのアートスクールで行われた「オールナイトフライト」コンサートは、夜10時に始まり、明け方まで続きました。参加者は寝袋を持参し、夜を徹しての鑑賞が奨励されました。参加者の1人がフィラデルフィアでディスコを経営しており、テリーにナイトクラブの「テーマ」の作曲を依頼しました。その結果、無名のR&Bチューン  "You're No Good' by Harvey Averne を流用し、そこにムーグ、テープループ、フィードバックシステムでミックスしたものがこの作品です。

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Herbert Eimert– Epitaph Für Aikichi Kuboyama / Sechs Studien   Wergo WER60014  LP   1966

Wergo WER67732  CD   2012


ヘルベルト・アイメルト『久保山愛吉のための墓碑銘』(スピーカーと音声のための) (1960-62)


この作品は、1954年3月のビキニ環礁での水爆実験で最初の犠牲者となった日本の漁師、久保山愛吉に捧げられたものです。作曲の素材となったのは、ギュンター・アンダースがドイツ語に翻訳した墓碑銘のテキストであり、リヒャルト・ミュンヒが語り、録音したものです。録音されたテキストは、スタジオでテープレコーダーだけでなく、フィルターや電子機材によって様々な電子変調が施され、電子音楽として加工が施されました。

Günther Anders/ギュンター・アンダース、Wergo WER60014 LP (初版) 中開きブックレットより


画像はシンセの前身にあたる電子鍵盤楽器メロコードを使用してボコーダー実験をするヴェルナー・メイヤーエプラー。(1951)

Werner Meyer-Eppler/ヴェルナー・メイヤーエプラー (1913-1960) はドイツの物理学者、実験音響学者、音声学者、情報理論家です。1951年には、Herbert Eimert (1897-1972)、Robert Beyer と共に初のドイツ電子音楽スタジオをケルンの西ドイツ放送局内に設立しました。


あまり知られていない事ですが、現在のモジュラーシンセの概念をこの人は早くから提唱していたとあります。また偶然性の音楽の志向もあったといいます。彼の弟子筋にあたるシュトックハウゼンの直感音楽(1960年)の先駆と妄想が膨らみます。(この年エプラーは47歳の若さで亡くなった)  エプラーは、ボコーダーを発明(1939年)した米国ベル研究所の科学者ホーマー・ダッドリーを訪問したことから、この装置を使用して電子音楽の研究論文を書き上げることになります。この研究における音源を聴くと、若くして亡くなられたことが惜しまれます。何か新たな電子音楽の歴史を変えて行ったような感じを受けます。


「Wie die elektronische Musik 'erfunden' wurde: Quellenstudie zu Werner Meyer-Epplers musikalischem Entwurf zwischen 1949 und 1953」Elena Ungeheuer   Germany  1992

『電子音楽はいかにして「発明」されたか。ヴェルナー・マイヤー・エプラーの1949年から1953年にかけての音楽デザインに関するソース調査』 1992 年、エレナ S. ウンゲホイヤー著。


電子音楽論文にボコーダー研究の成果が付属の CD に収められています。1949 年から1953 年にかけての録音です。書籍に連動した8つのセクションに98の凡例があり、それらのトラックに、"Stimme der Energie"/"Voice Of Energie" (1950) が収録されています。これは kraftwerk/クラフトワークの1975年発表のアルバム “Radio-Activity/放射能” 収録の “Die Stimme Der Energie/The Voice Of Energie” のオリジナルにあたります。



「デジタル革命の始まり:シグサリー 第2次世界大戦中のデジタル音声通信の確保」

                                                    アメリカ合衆国国家安全保障局発行のパンフレット(20頁)


音声を暗号化する研究を1930年代から初めていたベル研究所の科学者ホーマー・ダッドリーは、人間の声を分析して再合成をする音声圧縮技術からボコーダー(Voice Operated reCOrDER) 及びボーダー (Voice Operation DEmonstratoR) を発明しました。ダッドリーは、人間の発話とは、基本的には多かれ少なかれ、口、喉、副鼻腔によって変調されて認識可能な発話に変換される音を使うものであるという考えでした。これが彼の最初の発明、現代のサウンド エンコーダーの初期モデルとなる装置「ボコーダー」につながりました。人間の発話を電子的に再現することで、発話の要素を10の特定のオーディオスペクトルバンドにフィルタリングし、より鮮明に電話回線で伝送することができるようにしたのです。この技術は解読不可能とされた暗号機「シグサリー」誕生のきっかけとなりました。


ベル研究所で開発された「シグサリー」は、第2次大戦中の1943年から46年まで重要な秘密会談の秘話装置/暗号機として使用されました。その中にはルーズベルト大統領とチャーチル首相との会談等、アメリカ軍と連合国軍との重要な通信のために使用されました。パンフレットの画像にある巨大なシステムがボコーダー技術から派生したシグサリーの通信システムで、これは初のデジタル通信でもあり、現在の携帯電話の音声通信のルーツといえます。「シグサリー」は12台製造され1946年には東京にも置かれました。秘密のシステムであったためシグサリーの詳細は、1975 年の情報公開法に基づいて公開されるまで秘密にされていました。

「シグサリー」は、デジタル技術を使用して製造された最初の音声機器であったため、デジタル革命への道を開きました。当時はまだデジタルという言葉は使われておらず、この技術は、パルス伝送として知られていました。したがって、Sigsaly はこれまでに製造された最初のパルス符号変調 (PCM) 機器であるとされています。その後、ほとんどの通信システムでこの手法が使用されました。


シグサリーシステムの略図。パンフレットから

Speech Synthesis - An Experiment in Electronic Speech Production

Kit of Bell System Science Experiments No.3 / Bell Telephone Laboratories 1963


画像は、1963年にベル研究所より発売されたスピーチ・シンセサイザーの組み立てキットです。研究書との

セットで発表されました。これはベル研究所でのホーマー・ダッドリー最後の仕事となりました。1939年にダッドリーがボコーダーを発明してから24年を経てのことで、その間ベル研究所では世界を大きくリードする様々な発明がありました。中でもトランジスターの発明とクロード・シャノンの論文『通信の数学的理論』から情報理論という分野が確立されたことは、その後の世界を大きく変える事になりました。 (第5回アシッドテスト/2014.11.22/23 より転載)



第5回アシッドテスト(2014.11.22/23) セットリスト

『サウンド・アート、人工頭脳研究の有機体用音楽及び古典の評価に関するレクチャア』

http://asl-report.blogspot.com/2014/11/1122-1123_39.html 


第5回アシッドテスト (2014.11.22/23)、概要

『サウンド・アート、人工頭脳研究の有機体用音楽及び古典の評価に関するレクチャア』

http://asl-report.blogspot.com/2014/11/112223.html 


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THOMSON-CSF社は1958年創業の電子機器開発と製造を専門とするフランスの会社。主力は航空宇宙防衛の分野。民営化により2000年には名称をThales Group に変更しました。(雑誌広告1973年)

テクノロジーが思考を変え、私たちの思考がテクノロジーを変える。  (雑誌広告1991年)

『ウォーゲーム』   DVD    20TH FOX HOME ENTERTAINMENT JAPAN

ジョン・バダム監督作品 (1983)


演習とは知らされていない訓練で、発射命令を受けたミサイル・コマンダーの22%が命令に反してミサイル発射をためらった。それは人間の問題なのだ。そこで防衛システムの工程から人間を外すべきとして開発されたのが、世界最大のプログラム、ジュシュアと名付けられた核戦略プログラムだった。核戦争ではコンピュータの指示に従わずミサイルを眠らせておくことはできないと主張する博士は、統合参謀本部よりもコンピュータに従って大統領が命令を出すべきだと主張する。

ソ連から先制攻撃をされると、着弾まで23分、原潜からだと6分。6分では大統領の決定だけで精一杯なのだ。あとはコンピュータにまかせるのだ。

NORAD (北米大陸防衛司令部) のコンピュータ・システム、WORP は常に第3次世界大戦を考えている。仮想の世界大戦を何度も何度も戦っている。被害の程度、死者の数、核危機に関してWORPの対策は万全だ。


ある日主人公のハッカーが、偶然アクセスしたのはWORPだった。新しく開発されたゲームと思った主人公の対戦相手は、何と、世界最大の核戦略プログラム、ジュシュアだった。そうとは知らず、主人公はゲームを始める。ジュシュアは反応し、ゲームは現実となり、第3次世界大戦の危機が迫る。残された時間はあと27時間。しかし刻々と時間が迫る中、主人公の機転からジュシュアは核戦争に勝つ方法が無いことを知る。



80年代初頭と今日 (2022年) の技術的な隔たりはありますが、この映画では、電話盗聴、ソーシャルエンジニアリング、コンピュータハッキングなど。いくつかの種類のハッキングが登場します。この映画から、ウォーダイヤリングと呼ばれるテクニックを生み出したとさえ言われています。これは、IPアドレスの範囲内で機弱なコンピュータをスキャンするために使用される技術だそうです。劇中ウォーゲームの主人公が使用しているのは IMSAI 8080 パーソナルコンピュータ。モデムを使ってターゲットシステムに直接ダイヤルするインターネット以前のハッキング・シーンが描かれます。


IMSAI 8080 の美しいパネルデザイン、その美しさから2019年にはスペックを今日的に改良した、レプリカ・キットが販売されています。


COLOSSUS: "THE FORBIN" PROJECT『地球爆破計画』DVD ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

ジョセフ・サージェント監督作品 (1970)  


我が国ならびに自由世界の防衛は 機械に委ねられる 名称はコロッサス これまでのコンピュータより

はるかに進んだ知能を持ち 与えられた情報を駆使して 敵の攻撃を事前に察知する

その判断は人間より的確だ どんな天才よりも優れた情報処理能力を持つからだ 機械だから感情を持たず

恐れや憎しみとも無縁だ 一時の感情に左右されず ただ脅威にのみ反応する


冷戦下のアメリカ。コンピュータの権威チャールズ・フォービン博士は、防衛システム ”コロッサス” の開発に成功する。外敵からのあらゆる攻撃に対応可能な”コロッサス” 。大統領の指揮下、ついにシステムが作動され、人類の平和は約束されたかに見えた。だが、次の瞬間、同時期にソ連で開発されていた防衛システム “ガーディアン” と”コロッサス” が邂逅する。そしてコンピュータ同士が結託し、人類の支配に乗り出す。フォービン博士は、コロッサスを制御するため、頭脳戦を展開するが......

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Weapons Of World War 3 by William J. Koenig (1981)

冷戦下、NATO とワルシャワ条約機構が大規模な戦争でどのような種類の兵器を使用するか、この本では、大規模な紛争が勃発した場合に大国が使用する可能性が高い武器について紹介しています。



ICBM (大陸間弾道ミサイル)「ミニットマン」の発射制御センターとサイロ (発射施設)。ICBM は世界のどの地点でも1時間以内に着弾することができる戦略核兵器。戦略核の戦争で勝利はない。しかし発射しない事を選択すると敗者となる。その際発射する側は勝者となるが、両者が発射する事を前提に置くと、それは核抑止政策となる。核戦略においてこれを相互確証破壊 (MAD/Mutual Assured Destruction) という。先制攻撃に対して確実に報復の反撃を保証することは相互確証破壊が成立することで、核戦争は理論上発生しないという核戦略に関する理論である。近年中国は軍備増強、核装備の近代化にあり、2020年代には相互確証破壊が成立すると予測されている。


Frederick Wiseman  “Missile” (1987)  DVD (PAL) Region 2 France 


『ミサイル』(1987年制作)はアメリカのドキュメンタリー映画作家、フレデリック・ワイズマン(Frederick Wiseman 1930 -) 監督作品。この世で最も恐ろしい機関ミサイル・コマンダー養成基地に於けるドキュメンタリー。


カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地の戦略空軍司令部第4315訓練飛行隊は、ICBM (大陸間弾道ミサイル)「ミニットマン」の発射制御センターで働く空軍士官を訓練しています。核兵器を発射する命令を受けたら、この人たちが発射ボタンを押すのです。核戦争の道徳的・軍事的問題、ミサイルの武装、照準、発射、暗号、通信、テロ攻撃からの保護等々、緊急事態に対処する方法を学んでいきます。スタッフ会議、個別指導など、一連の流れが描かれ、最後に二人のミサイル・コマンド訓練生が最終テストである核ミサイル発射のシミュレーションを行います。それは映画「ウォーゲーム」の冒頭でのシーンを想起させます。


Frederick Wiseman  “Missile” は、フランスでDVD が発売されている。他に、Frederick Wiseman Vol.2: 1980-1994 (14枚組DVDボックスセット) に収録。どちらもPAL方式でリージョン2。



American Missiles : The Complete Smithsonian Field Guide by Brian Nicklas   2012   US

アメリカの最も強力なミサイル約200基を初めて図解入りで紹介しています。弾頭の速度や炸薬の容量など、ミサイルの仕様に関するあらゆる情報を掲載し、米軍の発射体ハードウェアの包括的なガイドとなっています。この本の画像は、国立航空宇宙博物館でカタログ化された11万枚以上の画像資料であるハーバート S. デシンド写真コレクションを活用しています。過去40年にわたるアメリカのミサイル設計の進化を、わかりやすい形式で示しています。


『ミサイル事典』小都 元(著)新紀元社  1996

世界のミサイル300種について、その仕様・性能・開発・配備等のデータをまとめたもの。イラスト多数。ほかにミサイルの種類・仕組み・性能等に関する解説がある。また資料として、用語集、略語集、ミサイル命名法等を付す。巻末に事項索引がある。 (「BOOK」 データベースより)


『最強 世界のミサイル・ロケット兵器図鑑』坂本 明(著) 学研プラス   2015

イラスト・写真450点!!対戦車ミサイルからICBMまで…現代戦の“真の主役”を完全図解! (「BOOK」 データベースより)


ミサイル関連の書籍でどれか一冊となると坂本 明(著)の書籍です。門外漢の私にも理解しやすくとても充実した丁寧な内容です。

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画像は、A.S.L. ベース・キャンプでのミーティング。 (2014.7.26) 

左より、HIPHOP最高会議ー千葉隆史  ドクター・ヤン 椎名謙介 ジェリー鵜飼 COMPUMA


ヤン富田:第4回アシッドテスト 2014.7.26/27 開催

『暗号化された音楽とラジオ・アート及びサウンド・ポエトリー』 より

http://asl-report.blogspot.com/2014/07/201472627.html 



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この記録動画は、2012年9月22日に開催された 「リキッド・ルーム8周年記念・ヤン富田コンサート」からのものです。周年記念の特別なコンサートなので6時間のプログラムを用意しました。17時開場、18時開演、23時終演です。お客様に6時間も立ち見させてしまったのは申し訳ないことでしたが、日常にそうしたことがあっても楽しいかなと思っておりました。若い頃は終電を逃したりすると何か良いことも悪いことも起こりそうでワクワクドキドキしたのに、歳を取るとそれがこの世の終わりみたく思えてくる。





「ハッピー・リビングということについて」/ "On Happy Living"

http://asl-report.blogspot.com/2012/09/blog-post.html


オーディオ・サイエンス・ラボラトリーと「意識の拡大」に関して 

/ On Audio Science Laboratories and "Expanding Consciousness"

http://asl-report.blogspot.com/2012/09/blog-post_24.html


「ピコンというの名の頭脳委員会」/ ”A brain committee named Picong (picón)”

http://asl-report.blogspot.com/2013/01/blog-post.html


「ヤン富田コンサート・リキッドルーム 2012.9.22」

/ ”Yann Tomita Concert at Liquid Room 2012.9.22”

http://asl-report.blogspot.com/2012/09/2012922.html 



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