2017年2月8日水曜日

YANN TOMITA EXTENDED STEEL PAN より:       『銃器の平和利用奏法』に関連して #1

1969年Source誌第6号の表紙を飾った、ディック・ヒギンスのマシンガンの銃痕によるスコア 。   
Dick Higgins  "TheThousand Symphonies" 

[Source] 誌は、1968年〜74年に10種類刊行された。そのうちの3種に2枚ずつレコード(10inchi)が付属し、計6枚13曲が収録された。前衛といえる音楽を主体に作家の研究発表会的な誌面で構成されていたが、しかしそれはサークル的な機関誌にはならなかった。前衛は60年代を通じて時代の趨勢であり、また対抗文化に一翼を担うべきものとして、その存在理由が明白であったため、前衛が時代の主役として受け入れられたことによる成果が誌面には反映されていた(1970年代に入ると飽和した)。そしてそれが見事な装幀によって表現されていた。紹介されたレコードは音楽史における古典としての評価をもつ。(*『ヤン富田のビート禅アーカイヴ/2004年』より転載)
(左)Dick Higgins - Thousand Symphonies (CD) マシンガンによって書かれたスコアの演奏集。
(右)Brion Gysin's Pistol Poem ピストルの射撃音を音素材として編集したサウンド・ポエトリー作品。
エイク・ホデルは戦後のスウェーデンを代表する前衛芸術家。第2次大戦時はスウェーデン空軍戦闘機パイロット。飛行中の事故後、反戦活動と並行して主に音声詩家として芸術活動を行なった。作品に、鉄砲の打ち合いから徐々に武器がエスカレートし最後は核爆弾が破裂する音声詩 "Structures III Part 1~6/構造3 パート1~6" がある。
第10回アシッドテスト「(10回記念) パフォーマンス大会」(2016)より
Yann Tomita Extended Steel Pan『銃器の平和利用奏法』での スナイパー:大野由美子
客席を匍匐前進によって所定の位置に移動する大野由美子

計測手:HIPHOP最高会議ー千葉隆史  スナイパー:大野由美子
William Burroughs - Shot Gun Paintings   バロウズのキャンバスにショット・ガンを打ち込む画法。
バロウズ、ブライオン・ガイシン、映像作家のアンソニー・バルチによる短篇『タワー・オブ・ファイアー』からのワンシーン。RAY GUN を撃ちまくるバロウズ。

Parliament "Funkentelechy Vs. the Placebo Syndrome" (1977) バップガン所収
バップ・ガンは1970年代後半のP-FUNKコンサートにおいて観客の頭上より放射されました。

『銃器の平和利用奏法』に関連して #2 に続きます。


撮影:グレート・ザ・歌舞伎町